日本冬虫夏草研究会

代表 戸田 真一

株式会社ビーシー 代表取締役

 

 当会の研究機関である自然薬食微生物研究所(N.M.I)が、冬虫夏草属の研究を始めたのは1970年頃に遡ります。人工培養による量産化に世界で初めて成功し、1977年には冬虫夏草属の一種、ハチタケに強い抗腫瘍性があることを発見しました。1983年に東北大学と共同で行った動物実験ではコナサナギタケに強い抗腫瘍性が見つかっています。

 

 以来、抗腫瘍性はもとより、安全性試験、亜急性毒性試験、腸内のパイエル板を刺激して免疫力を上げる作用および調節する作用、抗酸化作用、抗認知症作用、ガンの血管新生抑制作用、ガンにネクローシス(細胞の事故死)とアポトーシス(細胞のプログラムされた自らの死)を起こさせること、抗ガン剤投与後にダメージを受けた免疫機能の賦活作用、貧血の改善など、動物実験のデータを積み上げてきました。

 

 最近では、どの種類でどの分野の働きが最も強く出るのか、培養が成功している200種類の中からスクリーニング(ふるい分け・選別)を行い、海外の学術誌でも論文が評価されています。未だ発見に至らない種、日の目を見ない種類もたくさんあり、その中から卓越したパワーを持つものが新たに出現するかもしれません。冬虫夏草属の薬用資源としての可能性がますます広がっている現状です。

 

 日本冬虫夏草に魅せられた一人として今後も多くの皆様と連携し、研究の輪を広げてまいりたいと思います。